施工事例紹介
Construction case
エレベーター各所バッテリー交換
あまり知られていないエレベーターのバッテリー
エレベーター各所には様々な装置のためのバッテリーが積まれているのをご存知でしょうか?安全のための非常用バッテリーですが、これらは永久に使えるというものではありません。いつ起こるかわからない非常時に電気が停まったりした時にこれらのバッテリーが活躍するのです。 今回交換作業は4種類の重要なバッテリー交換作業です。
<停電時自動着床装置バッテリー>
エレベーター走行中に停電になった時に閉じ込め状態となりますが、このバッテリーの働きによって、最寄りの階までエレベーターを動かすための非常用バッテリーになります。設置されてから交換周期(2〜8年)ごとに交 換が必要となります。メーカーによって推奨周期が異なりますが、今回は日立製エレベーターということで約8年になります。万が一、バッテリー切れを起こした場合、エレベーター内に閉じ込められ、レスキュー隊のお世話にということも・・・。また、雷による瞬時停電時にバッテリー運転モードから復旧しない故障の原因になる場合もあります。
<ブレーキ開放用バッテリー>
エレベーターの故障により、閉じ込められた場合に巻上機と連動しているブレーキをバッテリーに開放して動かし、救出させるためのバッテリーです。こちらもメーカーによって異なりますが、交換周期は5年〜8年となっています。 バッテリー切れを起こした場合、閉じ込め時や故障時にブレーキ開放ができないので救出や故障復旧作業が遅れる原因になります。<停電灯バッテリー> 停電で閉じ込め状態になった時にエレベーターのカゴ内が真っ暗になるので、 こちらのバッテリーで停電灯を点灯させます。停電灯は文字が読める程度の照度で約1ルクスです。バッテリーの交換周期は3〜5年になります。バッテリー切れを起こすことは許されず、停電時には必ず点灯することが法定検査上で義務付けとなっています。
停電時自動着床装置バッテリー 左側が旧品、右側が新品です。
このように停電時自動着床装置バッテリーは設置されています。 交換日を記載しています。
ブレーキ開放用バッテリー 左側が旧品、右側が新品です。
このような場所にブレーキ開放用バッテリーが設置されています。
停電灯用バッテリー 上が旧品、下が新品です。
インターホン用バッテリー 上が旧品、下が新品です。
<インターホンバッテリー>
エレベーター内と外部のインターホンでの通話で使用されるバッテリーです。閉じ込め時や緊急時に使用されます。こちらのバッテリーの交換周期は5 年〜8年となっています。バッテリー切れを起こした場合、外部との通話機能 が一切できなくなります。こちらも法定検査上で通話が義務付けられています。
バッテリー装着の現状
バッテリーの現状はインターホンバッテリーは全てのエレベーターに装着義務となっています。停電灯バッテリーは荷物式エレベーターの一部を除いて義務付けられています。ブレーキ開放バッテリーは義務化はありません。メーカーや機種によって付いている機種が異なるからです。停電時自動着床装置バッテリーはメーカー、機種によって異なりますが、古いエレベーターには付いていない場合があります。近年、停電時自動着床装置の設置が建築基準法に よって義務化されていますが、古いエレベーターは法定検査上で「既存不適格」となります。ただし、違法ということではありませんが、改善を推奨しているのが現状です。
今回の作業(カゴシュー交換+バッテリー交換)は2名で行い、約3時間でした。
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